質の高い修復治療

歯の一生について

日本人の歯を失う原因の2位は、むし歯です。「歯を削って詰める」という治療を繰り返している場合、歯の寿命は40〜50年程度と言われています。健康な歯を維持するためには、定期的に歯科医院に通ってメインテナンスを受けましょう。また、定期的に歯科医院を受診することで、もしむし歯が発見されても早期治療が可能となります。早期治療をすることによって歯を削る量も少なくて済むようになります。

「二次むし歯」とは

むし歯を治療しても歯が治るわけではありません。むし歯の部分を削り取っていますので、人工物を詰めたり被せたりして機能を回復させていますが、削った歯は元通りにはなりません。むし歯を削り、強く硬いエナメル質を失った歯は、詰め物やかぶせ物をしてあっても、その下には弱い象牙質です。時の流れと共に、詰め物や被せ物の材料が劣化したり、変形が起きたり、詰め物や被せ物が不適合だったりすることで、その隙間から酸や菌が入り込み、詰め物やかぶせものの下にむし歯ができてしまうことも少なくありません

詰め物・被せ物の種類

インレー(詰め物)

詰め物(つめもの)のことを「インレー」とよびます。削る部分が小さい場合にはこの「インレー」を詰めます。削る部分がもう少し大きかった場合は「アンレー」とよばれる詰め物をします。保険治療では、「レジン」というプラスチックを詰めたり、パラジウム合金の「銀歯」を詰めます。

クラウン(被せ物)

被せ物(かぶせもの)のことを「クラウン」とよびます。削る部分が大きい場合にはこの「クラウン」を被せます。クラウンは、歯を削ってそのまま被せる場合と、歯の根の治療を行い、土台(コア)を立ててから被せる場合があります。保険治療では、「ハイブリッドレジン」というプラスチックを被せたり、パラジウム合金の「銀歯」を被せます。

健康保険適用のいわゆる「銀歯」いわゆるについて

スリーエムヘルスケア社の調査では、日本人のいわゆる「銀歯」の保有率は、20~60代で7割超、中でも40代男性76.6%、40代女性82.9%となっています。銀歯は様々な金属からなる「合金」で、経年劣化を起こして「二次むし歯」のリスクが高まったり、イオン化・溶出し、体内に取り込まれ「金属アレルギー」のリスクが高まる場合があります。
そのため、ヨーロッパなどの歯科医療先進諸国では、銀歯はほとんど使われておらず、ドイツでは「アマルガム」については子供・妊婦への使用が禁止されている事実があります。

健康保険適用外(自由診療)の「セラミック」や「ジルコニア」

健康保険適用の治療では、いわゆる「銀歯」や「金属の土台」、表面の見える部分にはプラスチックを使用し、「裏打ちに金属」を使用した被せ物やブリッジなど、「歯科金属」が多く使用されますが、近年、「見た目の問題」や、「金属アレルギーの問題」から、「歯科金属を使用した治療を避けたい」という方も増えて来ています。
このような場合には、健康保険適用外の自由診療となりますが、歯科金属を使用しない「セラミック」や「ジルコニア」といった素材を使用し、本物の歯と見分けがつかないくらいに精巧な詰め物や被せ物を使用した治療「審美治療」を選ばれる方が増えてきています。セラミックやジルコニアは、プラスチックのように黄色く変色したりすることがなく、金属アレルギーの心配もありません。また、汚れも付きにくく、変形もしないため、歯周病や二次むし歯のリスクを下げることができます。

このように、より質の高い歯科材料を使用することが出来る「自由診療」では、保険治療よりも費用がかかりますが、二次むし歯などのリスクを下げることにもつながるため、定期メインテナンスと合わせて予防につながる治療とも言えます。