定期メインテナンスを受けましょう
健康に関する後悔「1位」 は『歯の定期検診を受ければよかった・・・』
PRESIDENT 2012年11月12日号で、55～74歳の男女1060人に調査を実施した結果、健康に関する後悔「１位」は『歯の定期検診を受ければよかった』でした。予防のために定期的に歯科医院に行かなかったことを多くの方々が後悔されているのです。
80歳になった時点でお口の中に残っている歯の本数（各国比較）
80歳の時点でお口の中に残っている歯の本数（残在歯数）は、日本人は10本程度です。成人の歯の数は28本（親知らずを入れて32本）なので、半分以上の歯を失っている計算になります。当然噛みにくくなるので、ブリッジ治療や入れ歯に頼ったり、インプラント手術をしたりということになってしまいます。これに対してアメリカでは20本近く、スウェーデンでは20本の歯が残っているというデータがあります。
定期メインテナンスの受診率（各国比較）
残存歯数の違いは、定期メインテナンスの受診率の違いが影響しているといえます。実は日本と欧米では「予防」に対する考え方が異なります。日本では一般的に「痛くなってから」歯科を受診する傾向があります。ところが欧米では「痛くならないように」「悪くならないように」定期的に歯科を受診するという考え方が一般的となっています。
長期の研究で証明されたメインテナンスの「有効性」
スウェーデンのスウェーデン王立イエテボリ大学歯学部予防歯科のアクセルソン教授は、スウェーデン・カールスタッドでの30年にわたる臨床研究を通して、「定期メインテナンスによって97.7%もの歯を守れる」という事実を証明しました。研究によると、定期メインテナンスを受け続けた人とそうでない人のむし歯の発生率は4年間で約15倍、6年間では70倍の差になりました。また、定期メインテナンスを受け続けた人の30年後の残存歯数については、全ての年代を含めて平均0.6本しか喪失していなかったのです。
「定期的」なメインテナンスによってお口の健康の維持が可能
ここまでで定期メインテナンスを受けた方が歯を守れることはご理解いただけたと思いますが、「定期メインテナンスの間隔」が大切になります。定期メインテナンスの間隔は、お一人おひとりの口腔内の状態などによって、決まっていきますが、通常は、約3ヶ月間隔での定期メインテナンスが必要とされています。ただ単に、時々「歯科検診」を受けて、口腔内に疾患があるかないかを判断するとか、治療するだけでなく、普段から定期メインテナンスを受けることがお口の健康から全身の健康を守るためにも非常に重要なのです。
あなたも「定期メインテナンス」をスタートしませんか？
約３か月に１回、美容室に通う感覚で、歯垢や歯石、歯の黄ばみや汚れを除去し、お口に中をスッキリするととても爽快なものです。まずは歯科医院を受診し、欧米のように定期的なメインテナンスを受けてみてはいかがでしょうか。むし歯や歯周病で歯を失ってしまうと、ブリッジや入れ歯、インプラントとなってしまいます。そうなる前に、そして健康で美しいお口を保ち、生涯に渡って出来る限りご自身の歯を維持するためにも、普段から定期的に歯科医院にメインテナンス・クリーニングに行くことをおすすめいたします。