定期メインテナンス

「定期メインテナンス」って何だろう?

定期メインテナンスは、歯科医院で定期的に受けるものです。患者様の口腔内の状態によって変わってきますが、通常、3ヶ月程度に1回程度の頻度で行います。

定期メインテナンスとは
定期メインテナンスは、簡単に言うと「口腔内の健康状態の維持管理」のことです。「口腔内の状態が以前よりも悪化していないかを確認する」ことと「歯科衛生士による口腔内のプロフェッショナルケア」と「ホームケア(ブラッシング)の指導」を行います。つまり、定期メインテナンスとは「歯周病やむし歯などの病気が全くない状態」で行うもので、「治療」ではありません。

歯周病は厄介な病気で、一度完治してもプラークコントロールを怠ると、すぐに再発してしまいます。そのため、歯周病は治療後の定期メインテナンスがとても大切なのです。また、今現在歯周病が無い方でも、プラークコントロールをおざなりにしておけば歯周病になるリスクは上がります。
実際、日本人の成人の80%が歯周病といわれている事実があり、日本人の歯を失う原因の1位は歯周病です。現在歯周病が無い方も、歯周病の治療をして完治したといわれた方も、定期メインテナンスを受けることをおすすめいたします。

「定期メインテナンス」と「歯科検診」の違い

数か月ごとに定期的に歯科医院で受ける「定期メインテナンス」と「歯科検診」とは何が違うのでしょうか。
「歯科検診」は「お口の中に悪いところがあるかないかの検査」です。主に歯周病やむし歯などの病気の有無を調べるもので、早期発見・早期治療を目的に検査を行います。

つまり、定期メインテナンスは「口腔内に病気がない状態で、口腔内の健康の維持管理のために行うもの」歯科検診は「口腔内の病気の有無を検査するためのもの」です。

「定期メインテナンス」と「SPT」の違い

数か月ごとに定期的に歯科医院で受ける「定期メインテナンス」と、歯周組織の安定を長期的に維持していくための「SPT(Supportive Periodontal Therapy)」も異なるものです。SPTは歯周病の進行が止まり症状も安定している状態で、歯周組織の状態を長期にわたり安定させ、維持していくための「治療行為」です。

つまり、定期メインテナンスは「口腔内に病気がない状態で、口腔内の健康の維持管理のために行うもの」で、SPTは「口腔内に病気はあるが症状は進行せず安定していて、これ以上悪くならないよう維持していくための治療行為」です。

定期メインテナンスの時に行う内容

むし歯の検査

歯科医師がむし歯の有無を検査します。

歯周病の検査(プロービング)

歯周病の検査のひとつにプロービングがあります。プローブという専用の器具を使用して、歯周ポケットの深さを測定するものです。プロービングを行うことで、歯槽骨のどの部分がどれだけ失われてしまっているかがわかったり、歯周病治療後の歯周組織がどの程度回復しているかもわかります。また、歯ぐきからの出血の有無で炎症の有無がわかるなど、歯ぐきに隠れて見えない部分の状態を確認します。

口腔内写真撮影

口腔内の写真を撮影していくことで、口腔内の変化をおて行くことが出来ます。

レントゲン撮影

レントゲン撮影によって歯槽骨の状態などを確認することができます。

TBI(ブラッシング指導)

「TBI(Tooth Brushing Instruction)」とは歯科衛生士によるブラッシング指導のことです。正しいブラッシング方法を身に付けなければ、磨き残しができて、歯周病やむし歯のリスクが上がってしまいます。そのため、プラークを染め出す薬品を歯に付けて、磨き残しのチェックをしつつ、正しいブラッシング方法を指導します。

スケーリング・ルートプレーニング(SRP)

「スケーリング・ルートプレーニング(SRP)」では、専用の器具を使用して、プラークや歯石を歯の表面から除去します。

PMTC(プロフェッショナルクリーニング)

「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)」では、歯科衛生士が専用の器具を使用して、ご自身では落とすことの出来ない汚れや、プラークの元となるバイオフィルムを除去し、歯をピカピカに磨き上げます。PMTCは、むし歯や歯周病の予防に効果的なだけでなく、口臭対策にも効果的です。

フッ素塗布

歯は「脱灰」と「再石灰化」というプロセスを繰り返しています。脱灰の方が再石灰化を上まわってしまうと、むし歯になっていきます。フッ素は歯質(歯の表面の)を強くする物質で、また、むし歯になりかかっている歯の再石灰化も促進します。